第2回
「理由なき暴走?−軍装マリーン化への道」

(2005年2月4日)


 クラフトフェルトが軍装統一に踏み切ったのは、1995年の秋の事。ゲーマーの各自が各々自分の好みの軍装をするのが当然だった当時、チーム全体で軍装を統一するってのは、珍しいのを通り越して、少々異端的傾向さえあったんじゃないかと思う。だから、隊員を説得して回るのに、「野球やサッカーのチームは、みんな同じユニフォームしてるやろ?」といった具合で口説いていた。軍隊化など微塵もなく、あくまで新興のスポーツとしてのスタンスを取っていた時代だった。

 例によって例の如く、スッタモンダしてようやく軍装統一をする事になった訳だが、今にして思えば、「みんなで同じ格好」というのが主目的で、軍装的な検証はいい加減だった。

 使い易い、入手しやすい、という理由で、米軍のウッドランドBDUが統一軍装に決まったのは良いとして、マリーンのMCキャップが統一の略帽になったのは、理由がよく分からない。ただ単に、アーミーのユーティリティーキャップよりも形が格好良かったから、といった理由じゃなかったろうか。だから、マリーンに関心や興味があった訳ではないのである。

 それが証拠に、その後、階級章や部隊記章、表彰章などがドンドン決められていくのだが、それらはアーミーを基準にして決められていた。略帽だけがマリーンで、他は全部アーミーだったと言った方がいい。そういった意味では、マリーンだろうがアーミーだろうが、好みもはっきりしてなかったし、ぶっちゃけた話し、区別もしっかりついてなかったんだと思う。

 そんな状態のまま、2002年まで活動をしていたのだが、そんな中途半端な軍装が、一気にマリーン化する改訂が2003年にあった。装具がIIFSタクティカルベストから、MOLLE II FLCに更新されたのである。

 なんでマリーンが採用しているMOLLEを隊制式にしたのか。今、突き詰めて考えたら謎なのだが、頭に被ってる略帽がマリーンの略帽だから、ウチの隊は実はマリーンだったんだな、というのが、更新した時に感じた事である。というか、10年この方、ずっとそんな思いを漠然と持っていたのかもしれない。

 MOLLEの採用に引き続いて、軍衣袴のMARPAT MCCUUへの変更で、クラフトフェルト軍装は抜き差しならぬマリーン化へ直進し、とうとう鉄砲までM4A1からM16A4に変更する事となった。それもこれも、10年前に、偶然、MCキャップを制式略帽にした事がきっかけなんだから、感慨ひとしおである。


1996年頃の部活の風景
皆さん、ウッドランドBDUにMCキャップ着用



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