第3回
「弾数制限、夢と現実」

(2005年2月7日)


 弾数無制限に対して弾数を制限している方が、タクチカルでクールと思われてた時代がかつてあった。自分もそのクチの一人で、無制限でやってたのを200発まで引き下げたものである。

 なんで弾数制限かと言うと、無制限だとビンビンバンバン撃つばかりになって動かないのと、撃たれまくるので動けないのとで、戦闘が停滞してゲームがつまらん、と言うのが理由だった。弾数制限をやれば、無駄に撃てない分、有利な射点を求めて動く様になるだろうし、無制限ほど撃たれない分、動き易くなるだろう、と考えた訳だ。まこと結構な話しである。

 ところで、それまで弾数無制限でゲームしていたのに、弾数制限を行うとどうなるか。実は、慣れない初めのウチは、全然撃たなくなってしまうのである。理由は、今までの様に調子良く撃つと、いつ弾がなくなってしまうか判らないからである。だから、ここ一番の時に備えて射撃を手控えてしまうのである。しかし、だからといって、むやみやたらに動けば撃たれる事には違いないから、危ないと思ったらなかなか腰が上がらない。そんな訳で、弾数制限を始めた直後の戦闘は、撃ちもしない、動きもしない、で何にもしない内に時間切れになってしまう、というお寒いゲームであった。

 これではイカン、という事で、まず「15分間に200発を使えば良いんだ」と心に強く思うようにして、ペース配分を考えて射撃する様に心がけた。そして、地物地形の利用とか、連携、相互支援など、とにかく自分が動いてる時でも敵の頭を押さえられる様にしようじゃないか、と組織戦闘の発想がおぼろげながらも生まれてきた。もっとも、言うは易し行うは難しで、自分以外の人間とうまく連携する様な戦闘は、今のところ上手には出来てないのだが(爆)

 弾数制限がレギュレーションとして成立しえる条件は、全員同じ弾数で、敵味方も同じ弾数、つまり、1人200発なら200発だけでゲームを行う場合にのみ、有効な規制である。……という事に気が付くのは、手賀沼条約機構に加盟して5年以上経ってからである。手賀沼条約機構(面倒くさいのでTPOと略す)では、まず弾数制限は行っていない。そして、小銃や拳銃はホップ無し、機関銃は狙撃銃はホップ有りのホップ規制を行っている。つまり、機関銃や狙撃銃が支援火器として役立つレギュレーションを採用している訳だ。

 これはなかなか画期的な事で、我が隊も大満足だった。ところが、TPOは弾数無制限なのに、我が隊は小銃手200発の弾数規制で断固として戦闘に臨む事としたのだ。もちろん、さすがに火力不足は否めないので、4人一班に1丁の割で軽機関銃を置く事としたが、あくまで基本は一会戦200発である。結果はどうであるかというと、激しい戦闘だとゲーム終盤には弾が乏しくなって、ホントに撃てなくなってしまう事がしばしばだったのである。圧倒的火力を前に、団結力と精神力だけで立ち向かうクラフトフェルト、、実に旧軍チックなお涙頂戴ものの話である。(まぁ、それでもそこそこ楽しんでたが)

 話を元に戻すと、そもそも弾数制限は、機動的な戦闘を行おう、という目的を持って始めたのであるが、飛び来る弾雨の中をケツをあげて敵に切り込んでいけるかどうかは、射撃の腕前、機敏さ、瞬発力、集団でまとまって動けるテクニック、最後には勇気と決断、そういった要素こそが必要なんじゃないの、という答えを得るに至った。弾数制限でのゲームなら、弾数制限は当然ルール上必要なんだが、弾数無制限の時は、少々頭を使う要素が出てくる程度の役割しか果たしてなかったんじゃないだろうか。それどころか、極度に少ない弾数では、真っ当に敵と渡り合う事さえ出来ないのである。

 その様な訳で、クラフトフェルトの弾数規定は、建軍当初の200発から、500発+拳銃弾倉3本まで、増加される事になったのでした。(増やしはしたが、実はミソがある話は後日)



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