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ご飯の炊き方

 直火でのご飯の炊き方は、様々なサイトでも紹介されていて、飯盒で炊く方法についても、多くが語られています。そのどれを参考にしても差し支えないのですが、当協会としては、総則として以下の方法で行っております。

  1. 米を研ぐ。ただし、軽く一回程度。濯ぎは3回ほど。
  2. 30分から1時間、水に漬ける。(冬場は1時間推奨)
  3. 強火に掛ける。(2合で4〜5分、4合で6〜7分ほどで沸騰する程度の強火)
  4. 沸騰したら弱火にする(2合で5〜6分、4合で6分ほどで重湯が引く程度の弱火)
  5. 火から下ろして15分ほど蒸らす(飯盒はひっくり返さなくてもよい)

 美味しいご飯が炊けるかどうかは、一重にいい感じの時間で沸騰するかどうかに掛かっています。沸騰までに時間が極端に短い場合はうっかり焦がしてしまいます。逆に沸騰に時間がかかる、あるいは沸騰しないままに炊けてしまったといった場合は、ベタ飯になったり、芯飯になったりします。
 上記の炊き方は、常温無風の環境での場合に最適化されたもので、気温が低かったり、風が吹いていたりすると、炊く時間に差が出たり、炊き加減に違いが出たりします。特に焚き火の場合は、火力調整が容易でなく、環境の影響を大きく受けますので、難易度が高いです。
 ですので、環境条件の違いを考慮しながら、上の炊き方(炊飯時間)により近づいた炊き方が出来た時、とても美味しいご飯を食べる事が出来ます。

炊爨と炊飯の違い

 「飯盒炊飯なのか、飯盒炊爨なのか、どちらですか? 」という質問がよく寄せられません。読み方も「すいはん」と「すいさん」、三文字目の「は」と「さ」の違いでしかないですし、飯盒でご飯炊く事には違いないので、炊飯でも間違いないのでは?と思われがちですが、辞書的には「飯盒炊爨」が正解です。

 そもそも、炊爨の「爨」という字の成り立ちですが、「火で木を燃したカマドの上に鍋を置く男女」という構図になっています。字の意味は「炊事をする」という意味で、ご飯だけでなくオカズも料理する事を意味しています。ここで重要なのは、木、すなわち薪を燃やして料理する、という事で、漢字が成立した時代には、料理は薪を使った火力で行われるのが一般でした。

 時代は下って、飯盒が日本でも使われる様になった時代、まだまだ料理はカマドで行われる事が一般的でしたし、ましてや軍隊が飯盒で炊事をするのは、戦地や演習、すなわち野外でしたから、薪を使って直火で使うのが前提でした。故に「飯盒炊爨」という熟語になった訳です。

 さて、さらに時代は下って、我々の日常的な生活での料理は、ガスを使う事が一般的になりました。アウトドアでも、ガソリンや灯油、アルコールといった燃料を使うポータブルストーブが主流で、薪を使って焚き火で料理するという機会は、滅多にありません。ましてやカマドがある家など、ほぼ皆無です。なので、炊爨という言葉が、死語となってしまいました。

 そこで、当協会では、焚き火を使って飯盒でご飯を炊く事を「飯盒炊爨」、焚き火以外の火力を使う場合を「飯盒炊飯」と呼び分ける事にしました。そして、その言葉の間には、格段のスキルの差があると考えます。というのも、ポータブルストーブやコンロを使った場合よりも焚き火の場合の方が相当に難易度が高く、また焚き火を使った場合の方が美味しさが倍増するからです。