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ご飯が美味しくなる理由

 お米というのは、主成分は澱粉ですが、これは生のままでは美味しくないどころか、人間の胃腸では消化も出来ません。そこで加熱して消化吸収し易くする訳ですが、この加熱、つまり炊いてご飯にする事よって、美味しく食べれる様になるのです。その炊飯の過程を科学的に表現すると、以下の様になります。

  1. 当初、米と水が分離していて、釜の底からの熱の伝導で熱せられた湯が。米粒の間隙を対流して米粒の加熱が行われる時期。
  2. 米の澱粉が溶けてコロイド状となり、ために湯の対流が止まり同時に米粒の中の澱粉の糊化が進む時期。
  3. いわゆる<蒸らす>ため、米粒間と釜底に残留する水分の蒸散、米粒の中心部への吸収と膨軟が期待される時期。
  4. 釜底の水分が涸れて加熱し、底一面に狐色に色づいてα化が進み、更に良化して香味がつき、かくて真にうまい飯が完成する時期

 唸るほど美味しいご飯というのは、4番目のα化と香味(底が軽く狐色に焦げることによる)によってもたらされるのですが、これは飯盒にどの様に火が当たっているかによって決まって来ます。

バーナーの大きさと炊飯量の違い

広口バーナーで2合炊きの場合

 バーナーヘッドの大きい家庭用コンロやストーブの場合、飯盒の底全体に火が当たり、かつ2合炊きの場合は嵩も低いので熱が上まで伝導し易く、比較的美味しいご飯が炊けます。

広口バーナーで4合炊きの場合

 バーナーヘッドが大きいコンロでも、4合炊きの場合は嵩が高く、上に行くほど熱の伝導が落ちるので、上の方が水っぽい感じになる事が多いです。

小口バーナーで2合炊きの場合

 バーナーヘッドが小さいコンロの場合、火が当たる範囲が狭く、伝導する範囲も狭いので、2合炊きでも美味しく炊けなかったり、火の当たってる範囲が焦げたりします。

小口バーナーで4合炊きの場合

 バーナーヘッドが小さいコンロで4合炊きするのは、まったく難しく、上は水っぽいのに下は焦げている、という事がよく起こります。

焚き火で2合炊きの場合

 焚き火は飯盒全体に火が当たり、全体的に熱を伝導しますので、非常に美味しいご飯を炊く事が出来ます。これが飯盒本来の使い方です。沸騰したら、薪を入れるペースを落として、じっくりと炊きます。

焚き火で4合炊きの場合

 焚き火で4合炊く場合は、2合の場合より若干時間が伸びますが(強火5〜6分、弱火5〜6分)、熱は全体的に当たりますので、美味しく炊けます。12分以内に完了すれば、無駄に焦げずにいい感じに炊けます。

 飯盒に当たる火の範囲が広いほど、α化がよりよく進みます。焚き火は飯盒の全周を覆う様に火が当たりますから、焚き火で炊いたご飯は美味しくなるのです。カマドで羽釜を使って炊いたご飯もこれと同じ理屈で、釜の底全体に火が当たるから美味しい訳で、「直火炊き」をうたう炊飯器の釜の構造もそれに準じています。同じ直火でも、バーナーヘッドの小さいコンロではあまり美味しくないのは、火の当たる範囲が狭く熱伝導の範囲が狭く、その他の部分のα化が進まない事が原因です。同様に2合炊きでは美味しかったのに4合ではイマイチだったりするのも、熱が伝導しない部分のα化が進みにくいからです。