理念と目的
私たち日本飯盒協会は、軍隊用やキャンプ用の飯盒を用いて、日本式の炊飯法による美味しいご飯を炊く事を目的とした団体です。
電気炊飯器の普及により忘れられつつある、お米本来の旨さを引き出す炊き方、日本人3000年の叡智を広め伝え、かつ自らも楽しむ事を目的としています。

明治時代にドイツ軍のKochgeschirrを手本として開発された日本の飯盒は、その後、数度のモデルチェンジを経て、軍隊を通じて日本人の間に広まり、先の大戦においては生死を分ける道具として、戦後の物不足の時代には鍋釜の代用として、そして復興後は登山やキャンプの主な調理器具として、非常に重宝された歴史を持ちます。日本人の主食たる米飯のその炊き方は、日本独自の永い歴史と経験によって発達した「日本国民の文化財」ともいうもので、日本の飯盒はそれを手軽に行い得る利点をもっています。

残念な事に、オール家電にまで達した家事用品の発達と、アウトドアにおける軽量小型の波によって、飯盒は過去のものになってしまいました。
しかし、今もってキャンプといえば飯盒が思い浮かべられるほど、はやり飯盒は日本人の心の中に息づいています。私たちは、飯盒と直火炊きによるご飯を過去のものとせず、むしろ大いに実践活用して、日本人が本来楽しんできた、米飯の美味さを日々体感し、生きる喜びを感じる事を目的としています。

当協会の範囲
当協会は、その名称の通り、「日本の飯盒」の協会ですが、ご飯を炊けるものなら、外国の飯盒による炊爨/炊飯も活動範囲とします。当協会が規定する飯盒は以下の通りです。
「軍用品もしくはその民用品。また、軍用品の発展形の民用品。かつ、米飯が炊けるもの」
キャンプ用の飯盒で、丸形の物がありますが、あれは軍隊用の飯盒とは別の形をしておりますので、飯盒というよりはライスクッカーと見なしております。ただし、丸形でも軍用品であれば、当協会の範囲とします。

米飯を炊くものとして、羽釜、土鍋、文化鍋、ライスクッカーなどがありますが、これらは飯盒とは別の炊飯用具であり、またそれぞれに飯盒と同様のスタンスや意義をもって使われている方々がおりますので、当協会の範囲外とします。
トランギア社のメスティンは、広告で世界最小の飯盒と書かれてしまったので飯盒と思われている方も多いのですが、ソロ用のクッカーと同様であると思いますので、当協会の範囲外とします。
米軍のキャンティーンカップは、熱烈な愛好家が多く、その人たちの要望からカップの蓋も作られ、炊飯する人も出てきたのですが、キャンティーンカップは独自の文化として発展しておりますので、当協会の範囲外とします。

当協会は、もっぱら直火でご飯を炊くのを活動目的としておりますが、それ以外の料理に使うのも大いに推奨しています。こういうのを作りました、こういう風に使っています、というアイデアがありましたら、日本飯盒協会公式Twitterアカウントに投稿して頂けると幸いです。
ただし、植木鉢として使うのは禁止です。なお、旧軍の伝統を引き継ぎ、骨壺ないし香炉に使うのは可とします。

2018.7.24 OPEN Ver.2