執銃での不動の姿勢

 執銃(しつじゅう)とは「銃を執る」つまり銃を携行する状態の事を差します。「執銃で集合」と号令が掛かった時は、小銃を持って集合します。
 執銃時の整列の基本姿勢は、「下げ銃」つまりタクティカル・スリングを使う要領で、銃を下向きに下げる姿勢です。その後、状況に応じて(もっぱら、捧げ銃の敬礼を行う場合など)、「立て銃」つまり銃を肩から外して、地面に立てる姿勢になります。
 小銃を肩に担ぐ「担え銃」の姿勢は、整列から行進に移る前の姿勢です。行進が終わって整列する時は、「立て銃」の号令が掛かります。
 「吊れ銃」はタクティカル・スリングの3本のスリングをまとめて持ち、2点式のスリングと同様にし、銃を上向きにして肩に吊す姿勢です。式典時の不動の姿勢、ならび行進時にも「吊れ銃」を行う事があります。

執銃時における各種の不動の姿勢
下げ銃
立て銃
担え銃
吊れ銃
執銃動作

 ある不動の姿勢から別の不動の姿勢に移行する動作を、クラフトフェルトでは「執銃動作」と呼んでいます。執銃動作で大切なのは、動作を素早く確実に行い、かつ他の隊員と動作を合わせる事です。下の写真は、それぞれの動作の「止め」の場面で、挙動と止めのタイミングを充分に練習し、メリハリのある動作が出来る様に教練します。

下げ銃から立て銃

立て銃から担え銃

立て銃から吊れ銃

立て銃から下げ銃

執銃での敬礼
捧げ銃
 執銃時の敬礼は、「下げ銃」「担え銃」の場合は挙手の礼、「立て銃」の場合は捧げ銃、「担え銃」の場合は一旦「立て銃」にしてから捧げ銃を行うのを基本としています。ただし、捧げ銃は式典や上級者(他部隊やその隊長など)に対して行われるのが通例で、朝礼などの隊内の集合の場合は挙手の礼で済ませています。